自分に向いている副業を見つけるには、「得意なこと」「苦にならないこと」「使える時間」の3つを書き出して、重なる部分を探すのが現実的です。適性診断のようなものに頼るより、自分の過去の行動を振り返るほうが、ずっと正確な手がかりになります。
得意なことは「人に頼まれたこと」から探す
得意なことと言われても、自分では当たり前すぎて気づかないことがよくあります。そこで、過去に人から頼まれたことや、感謝されたことを思い出してください。
資料の見た目を整えてほしいと言われた、文章をチェックしてほしいと頼まれた、パソコンの設定を教えてほしいと聞かれた。こうした小さな出来事が、副業の種になります。10個ほど書き出すと、傾向が見えてきます。
本業での経験も立派な材料です。ただし、会社の情報や取引先の情報を使うことはできないので、あくまで「身につけた力」として切り分けて考えます。たとえば経理の経験があるなら、経理の知識そのものではなく、数字を整理して伝える力が使えます。
書き出すときは、「うまくできた」ことだけでなく、「頼まれて困った」ことも併せて書いておくと、得意でないことの輪郭も見えてきます。副業ではできるだけ得意な側に寄せるほうが、成果が出るまでの期間を短くできます。
苦にならないことを見分ける
得意でも、やっていて消耗するなら続きません。逆に、そこまで得意でなくても、時間を忘れてやれることは、副業としての持続力につながります。
苦にならないことを見分けるには、休日に何をしているかが手がかりになります。調べものをしている、文章を書いている、何かを組み立てている、人と話している。自分が自然に向かう行動のなかに、続けやすい作業が隠れています。
反対に、「やらなければならないから」やっている作業は、副業にしても楽しくなりにくいものです。作業の中身が好きなのか、それとも結果が好きなのかを分けて考えてみてください。
家で過ごす時間が長いのか、外出が多いのかも手がかりになります。外出が多いなら、移動中にできる作業を中心にします。静かな環境が取れないなら、音声を使う作業は避けるなど、生活環境が選択肢を絞ってくれることもあります。
使える時間の形から逆算する
得意でも好きでも、時間の形が合わなければ難しくなります。まず、1週間のどこに空きがあるかを書き出します。夜に短時間しか取れないのか、週末にまとまって取れるのか。
細切れの時間が多い人は、1回15分から30分で進められる作業が向いています。文章の下書き、画像の整理、出品の準備などです。まとまった時間が取れる人は、制作や撮影のように、集中が必要な作業にも挑戦できます。
時間の形は、季節や仕事の繁忙期で変わります。年度末に忙しくなる職場なら、その時期は副業を休む前提で計画を立てておくと、気持ちが楽になります。
書き出しの段階では、実現できるかどうかを考えすぎないことが大切です。「できるわけがない」と先に決めてしまうと、可能性のある候補まで消えてしまいます。実現性の検討は、候補を並べ終えてからで十分です。
3つが重なる候補を3つに絞る
書き出した3つの項目を見比べて、重なる部分に副業の候補を当てはめます。たとえば、人から文章の相談を受けることが多く、休日に文章を書くのが好きで、夜に1時間取れるなら、ライティングや編集の仕事が候補です。
候補が10個出ても、最初に試すのは3つまでにします。多すぎると比べる作業だけで疲れてしまいます。
候補ごとに、必要なスキル、始めるまでの費用、報酬が入るまでの期間を調べます。調べた結果、ハードルが高すぎるものは外し、小さく試せるものを残します。
候補を絞るときに役立つのが、「その副業で成果を出している人は、普段どんな作業をしているか」を調べることです。求人の説明や、経験者が公開している作業の流れを読むと、具体的な一日の動きが分かります。想像していた作業内容と違えば、早い段階で外す判断ができます。無料で読める情報だけでも、十分に参考になります。
小さく試して、向き不向きを確かめる
頭の中の判断だけでは限界があるので、実際に短い期間試すことをおすすめします。たとえば1か月、週に数時間だけ取り組んでみる。クラウドソーシングで小さな案件を1件受けてみる。フリマアプリで不用品を5点出してみる。
試している間は、次の3点を記録します。
- 作業が終わったあと、疲れたか、もう少しやりたいと感じたか
- 想定より時間がかかった部分はどこか
- 報酬や成果を見て、続ける意欲が湧いたか
この記録が、向き不向きの何よりの証拠になります。最初の候補が合わなくても、そこで分かったことは次の候補選びに役立ちます。
数字で結果が見えるものは、続ける意欲につながります。たとえば出品数、納品数、閲覧数のように、毎週の進み具合が分かる指標を決めておくと、小さな進歩に気づけて、気持ちが折れにくくなります。
向いていないと感じたときの考え方
試した結果、向いていないと感じることは普通に起こります。それは自分に才能がないという意味ではなく、条件が合わなかっただけの場合が多いものです。
作業そのものは好きなのに、納期の圧迫が嫌だった。報酬の少なさが気になった。人とのやりとりが負担だった。こうした原因を分けて考えれば、同じ分野でも別の形で続けられることがあります。
何か月か試しても手応えがなければ、候補表に戻って次のものに移れば十分です。早めに見切ることも、副業を上手に選ぶ技術のひとつです。
向き不向きは、一度の試行で決まるものではありません。生活の変化や経験の積み重ねによって、向いているものも変わっていきます。半年に一度ほど、同じ書き出しをやり直す習慣をつけておくと、自分の変化に気づきやすくなります。
なお、向いている副業を探すあいだも、生活のリズムを崩さないことが前提です。睡眠時間を削って試すと、作業が楽しくなくなり、正しい判断ができなくなります。余裕のある範囲で、短い時間から試してください。うまくいかない日があっても、記録を残しておけば、次の改善につながります。周囲に相談できる人がいれば、試した感想を話してみるのも、考えを整理する助けになります。
試した結果は、数字とひと言の感想で残しておくと、後から読み返しやすくなります。
次にやること
今日できることは、紙を1枚用意して、「人に頼まれたこと」を10個書き出すことです。思いつかなければ、家族や友人に「自分に頼みたいことは何か」と一言聞いてみるのも手です。
書き出せたら、その中から苦にならないものに丸をつけ、副業に結びつきそうなものを3つ選んでください。来週は、そのうち1つを実際に試す計画を立てます。




