Webライターは、パソコンとインターネット環境があれば始められるため、会社員の副業として人気があります。ただし、始めやすいことと、収入が安定することは別の話です。仕事の流れ、必要な力、最初の案件の探し方、注意点を知ってから始めると、無駄な遠回りを減らせます。
Webライターの仕事の流れ
多くの案件は、依頼を受けてから納品するまで、次の流れで進みます。まず、依頼主から記事のテーマや文字数、納期、読み手の想定といった指示を受け取ります。
次に、情報を調べて、記事の構成(見出しの並び)を作ります。構成を依頼主に確認してもらう案件もあり、その場合は、本文を書く前に方向性をそろえることができます。
そのあと、本文を書いて提出します。依頼主からの修正指示があれば、直して再提出します。最後に、納品が承認されると、報酬が確定します。1本の記事に、調べる、構成する、書く、見直すという複数の作業が含まれていることを、最初に理解しておいてください。
最初に応募する前に、書く文章のジャンルを決めておくと、調べる時間を減らせます。たとえば、暮らしの情報、仕事のノウハウ、趣味の紹介など、自分が詳しい領域から入るのが近道です。詳しい分野なら、調査が早く済み、文章の質も上がります。
必要な力は文章力だけではない
文章を書く力は大切ですが、実際に求められる力は、それだけではありません。
調べる力は、信頼できる情報源を選び、内容を正しく理解する力です。インターネット上の情報には誤りも多く、複数の情報を照らし合わせる習慣が欠かせません。
指示を読み取る力も重要です。依頼主の意図をつかみ、決められたルールに沿って書く姿勢が、評価を左右します。さらに、納期を守る力、連絡を丁寧にする力も、継続して仕事をもらうために必要です。文章が上手でも、納期を守れなければ、次の依頼は来にくくなります。
報酬の支払い時期も確認しておきたい点です。納品の翌月末払いなど、案件によって締め日と支払日が異なります。副業の収入が本業の給与と別に入るため、入金のタイミングを手帳などに書き留めておくと、収支の管理が楽になります。
報酬の仕組みと考え方
報酬は、1文字あたりの単価、または1記事あたりの金額で決まることが一般的です。最初の案件では、低めの単価から始まることが多いです。
単価だけを見て選ぶと、思わぬ落とし穴があります。調べる時間や修正の手間を含めた、1時間あたりの収入で考えることが大切です。たとえば、単価が高くても、専門的な調査に何時間もかかる案件なら、時給換算では低くなるかもしれません。
実績を積むと、より条件の良い案件に応募できるようになります。得意な分野を作る、継続して依頼してくれる取引先を見つけるといった工夫で、収入は少しずつ変わります。ただし、どの程度の収入になるかは人によって大きく異なります。
応募するときは、プロフィールの書き方が結果を左右します。得意な分野、使える時間、連絡の取りやすさなどを簡潔に書いてください。実績がまだない場合でも、試しに書いた文章のサンプルを載せられると、依頼主が判断しやすくなります。
最初の案件の探し方
初心者が最初に案件を探す場所として、クラウドソーシングのサービスがよく使われます。募集の条件が明示されており、報酬の支払いも仲介してもらえるため、トラブルのリスクを減らせます。
最初は、応募の条件が緩い案件や、テストライティングを通じて採用される案件から試してみるのが現実的です。テストライティングの報酬が出ない場合もあるので、募集の説明をよく読んでください。
SNSでの募集や、知人からの紹介もありますが、条件の取り決めを書面に残すことが大切です。口約束だけで進めると、報酬の支払いで食い違いが生じる場合があります。応募の前に、依頼主の評価や過去の取引実績も確認してください。
収入が増えてくると、確定申告が必要になる場合があります。給与以外の所得が年間20万円を超えるときは、原則として申告が必要です。報酬の記録は、日付、依頼主、金額を最初からつけておいてください。詳しくは、確定申告の基本をまとめた記事を参考にしてください。
会社員が気をつけたいこと
副業として始める場合は、まず勤務先の就業規則を確認します。許可や届出が必要なのか、禁止されているのかは、会社によって違います。
書く内容にも注意が必要です。本業で得た秘密情報や、取引先の情報を記事に使うことはできません。本業と関連する分野の記事を書く場合は、競業に当たらないかも確認してください。
また、本業の勤務時間中に副業の作業をしたり、会社のパソコンを使ったりすることは避けてください。作業は自分の機器で、自分の時間に行うのが基本です。会社に知られたくない場合の住民税の扱いについては、別の記事で詳しく触れています。
依頼主とのやりとりでは、返信の早さと丁寧さが信頼につながります。すぐに答えられない質問には、「明日の夜までに確認します」と期限付きで返すだけでも、相手の不安は減ります。連絡の手間を惜しまない姿勢は、文章の腕前と同じくらい、継続案件につながる要素です。
続けるための仕組みづくり
副業としてのライティングは、本業の忙しさに左右されやすい仕事です。無理なく続けるために、いくつかの仕組みを用意しておきます。
- 1週間に引き受ける本数の上限を決めておく
- 納期は、実際に必要な日数に余裕を持たせて設定する
- 調べものや構成作りを、通勤時間や昼休みに割り当てる
- 疲れている日は無理せず、短い作業に切り替える
引き受ける数を欲張ると、品質が下がり、評価も落ちます。少なめに始めて、慣れてから増やすほうが、結果的に長続きします。
一人で書き続けていると、自分の文章の癖に気づきにくくなります。書いたものを数日置いて読み返す、音読してみる、校正ツールを使うといった方法で、客観的に見直す習慣をつけると、品質が安定します。
並行して、普段から読む記事の構成にも注目してみてください。見出しの付け方、段落の長さ、結論を書く位置など、読みやすい記事には共通の型があります。自分が読みやすいと感じた記事を3本選び、構成だけを書き写して分析すると、書き方の引き出しが増えていきます。
次にやること
まず、書いてみたいテーマを3つ選び、それぞれ800字程度の文章を試しに書いてみてください。書く過程で、自分が調べるのに時間がかかる分野と、すらすら書ける分野が見えてきます。
そのうえで、クラウドソーシングのサービスに登録し、募集されている案件を5件ほど読んでみます。条件や単価の幅を知っておくと、応募のときに迷いにくくなります。就業規則の確認も、忘れずに済ませてください。




