会社員が副業を始めるときの選び方・始め方・続け方を、手順に沿ってまとめています。

Preparation

始める前の準備

副業用の銀行口座を分ける理由と手順

目次
  1. 口座を分けるメリット
  2. 専用口座の選び方
  3. 口座を開設する手順
  4. 口座の使い方のルール
  5. 生活費とのお金の移動
  6. 会社にばれないか、という心配について
  7. 次にやること

副業の収入と支出は、生活費とは別の専用の銀行口座にまとめておくと、収支の把握と確定申告の準備が格段に楽になります。法律上、副業用の口座を持つことが義務づけられているわけではありませんが、実務の面では多くの利点があります。口座を分ける理由、選び方、開設から運用までの流れを整理します。

専用の口座といっても、特別な口座を作る必要はありません。普通預金の口座をもう一つ開き、副業のお金だけを出し入れするという、簡単な使い方で十分に効果があります。

口座を分けるメリット

最大のメリットは、副業のお金の動きが一目で分かることです。生活費と混ざった口座では、どの入金が副業の収入で、どの出金が副業の経費なのかを、後から切り分けなければなりません。専用の口座なら、通帳や取引履歴を見るだけで、収支が整理されています。

確定申告のときにも役立ちます。収入と経費の合計を計算する際に、口座の入出金をもとにできるため、記録の漏れを防げます。帳簿をつけるときも、口座の取引明細を見ながら入力すれば、作業が速く進みます。

また、使いすぎの防止にもなります。副業用の口座の残高だけが副業で使える資金だと決めておけば、生活費に手をつけてしまう失敗が減ります。お金の流れが明確になると、副業の成否を冷静に判断しやすくなります。

専用口座の選び方

口座を選ぶときは、まず手数料を確認します。振込手数料、ATMの利用手数料、口座維持の手数料などが、金融機関によって異なります。副業の取引が少額で多数になる場合は、手数料の積み重なりが無視できなくなります。

次に、インターネットバンキングの使いやすさです。明細をダウンロードできる、入出金の通知が届く、といった機能があると、記録の管理が楽になります。スマートフォンのアプリで残高を確認できる点も、日常の使い勝手に影響します。

最後に、本業の給与口座とは別の金融機関にするかどうかです。同じ金融機関でも口座は分けられますが、別の金融機関にすれば、お金が混ざる心配がより小さくなります。給与の振込口座とは別にしておくと、気持ちの切り替えもしやすくなります。

口座を開設する手順

口座の開設は、金融機関のウェブサイトか、窓口で申し込みます。必要な書類は、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が一般的です。インターネットで申し込める金融機関も多く、手続きは数日から2週間程度で完了することが多いです。

名義は、基本的に自分の本名にします。屋号をつけた口座を作れる金融機関もありますが、個人事業主として開業届を出している場合など、条件が設けられていることがあります。屋号付きの口座は、取引先に対して見た目が整う利点がありますが、必須ではありません。

開設したら、通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングの利用登録を済ませます。ログインのための情報は、他人に知られないよう、安全な方法で管理してください。

開設後は、最初の入金と出金を試して、明細の見え方や通知の設定を確認しておきます。小さな金額でテストしておけば、本番の取引で慌てることがありません。通知の設定をしておくと、入金の見落としも防げます。

口座の使い方のルール

口座を分けた効果を保つには、使い方のルールを決めておく必要があります。基本は、副業の収入は専用口座に入金し、副業の経費は専用口座から支払うことです。

たとえば、副業の取引先への振込先は、専用口座に指定します。仕入れや道具の購入、ソフトの月額料金などは、専用口座のカードやネットバンキングから支払います。クレジットカードを使う場合は、引き落とし先を専用口座にしておくと、経費の整理が楽です。

反対に、生活費の支払いに専用口座を使うのは避けてください。ごく少額でも、混ざってしまうと、後で仕分ける手間が生じます。もし混ざってしまった場合は、その都度、メモを残しておきます。

副業の資金が増えてきたら、一定額を生活口座へ移す日を、毎月決めておくのも一つの方法です。たとえば月末に、必要な経費を残したうえで、利益分を移します。移す額を決めるルールがあれば、お金の使い方が安定します。

生活費とのお金の移動

副業で得た収入を、生活費に回したいときは、専用口座から自分の生活用の口座へ「事業主貸」のような扱いで資金を移します。個人で副業をしている場合、この移動自体が収入や経費にはなりません。

注意したいのは、移動した日付と金額を記録しておくことです。専用口座の取引明細にも記録が残るため、通帳やネットバンキングの履歴を保管しておけば足ります。

逆に、生活用の口座から専用口座へ資金を入れる場合もあります。副業を始めたばかりで、費用を先に払う必要があるときなどです。その際も、日付と金額を記録して、あとで経費との区別がつくようにしておきます。

クレジットカードの請求や、ネットバンキングの通知メールが、本業の会社のパソコンやメールアドレスに届かないようにしてください。連絡先は、自分の個人のメールアドレスにします。この基本を守るだけで、情報管理の面でも安心です。

会社にばれないか、という心配について

口座を分けたこと自体が、会社に知られる原因になる可能性は低いと考えられます。会社が従業員の口座の取引を確認する仕組みは、通常ありません。副業の収入が、別の口座に入金される点でも、会社に伝わることはほぼないでしょう。

ただ、副業が会社に知られる経路としては、住民税の通知など別の仕組みがあります。口座を分けるのは、お金の管理を整えるためであり、隠すための手段として考えるのは適切ではありません。

会社の規則で、副業の届出が必要な場合は、規則に沿った手続きを行ってください。口座を分けておけば、届出の際に収入の見込みを説明するときにも、根拠となる資料を示しやすくなります。

口座を分けることは、副業の第一歩として、手軽で効果の高い整理術です。完璧な仕組みを作ろうとせず、まずは1つの口座で、入出金を分けるところから始めてください。続けるうちに、自分に合った管理の形が見えてきます。

次にやること

まず、現在の口座を整理し、副業用の口座が必要かを考えます。副業の取引がすでにある、あるいは近いうちに始める予定なら、早めに開設しておくのが賢明です。開設前に、手数料と使い勝手を2つか3つの金融機関で比べてください。

開設したら、副業の入金と支払いを、その口座に統一します。月末に取引明細を見返し、収支をメモにまとめる習慣をつけると、確定申告の準備が自然と整います。難しい作業ではないので、今月のうちに一歩目を踏み出してみてください。