通勤時間は、副業の下調べ、下書き、学習、連絡といった軽い作業に向いています。まとまった時間が取れない会社員にとって、毎日繰り返される移動時間は、副業の時間を作る有力な候補です。ただし、使い方を誤ると疲れが溜まり、本業にも響きます。電車やバスの状況別にできること、避けたいこと、続けるコツを整理します。
通勤時間の長さと使い方の関係
通勤時間が片道30分の人と、1時間の人では、使い方が違ってきます。往復で1時間から2時間になれば、週5日で5時間から10時間にもなります。副業に回せる時間としては、決して小さくありません。
まず、自分の通勤時間のうち、実際に作業に使える時間を見積もってください。乗り換えの移動や、改札を出るまでの時間は、作業に向きません。座れるかどうか、立っているかどうかでも、できることが変わります。
見積もりは、数日間の通勤を観察して出します。座れる日と座れない日、混雑する時間帯としない時間帯の違いも、あわせて把握しておくと、無理のない計画を立てられます。
通勤時間が長い人ほど、その時間を副業に使いたい気持ちは強くなりますが、毎日全力で使う必要はありません。週に3日だけ作業に使い、残りは休息にあてるといった配分でも、積み上げれば相当な時間になります。無理のない頻度から始めてください。
座れるときにできること
座れる場合は、スマートフォンやノートパソコンを使った作業が可能です。文章の下書き、記事の構成づくり、メッセージの返信、資料の確認などが挙げられます。
ノートパソコンを広げられる環境なら、まとまった作業もできます。ただし、周囲に迷惑をかけない配慮が必要です。画面の内容を他人に見られる心配もあるため、機密性のある情報や、本業の資料は開かないようにしてください。
スマートフォンだけでも、できることは多くあります。短い文章の入力、メモの整理、画像の簡単な編集、売上や経費の記録などです。作業を細かく区切っておけば、乗車時間に合わせて進められます。
座れるかどうかは日によって違うため、座れたときにやる作業と、座れなかったときにやる作業を、あらかじめ両方用意しておくと便利です。当日の状況に合わせて選べば、何もしないまま降りる日が減ります。
立っているときにできること
立っている場合は、操作が難しいため、耳で聞く作業が中心になります。音声の学習コンテンツ、解説の動画の音声、ポッドキャスト、読み上げ機能を使った文章の確認などです。
また、考える作業も向いています。次に書く記事の内容を頭の中で組み立てる、1日の作業の段取りを考える、アイデアを練るといった、手を使わない作業です。
混雑した車内でのスマートフォンの操作は、周囲への配慮が必要です。画面を見て歩く、ホームでの操作は危険を伴います。安全を最優先にして、無理のない範囲で取り組んでください。
音声学習では、イヤホンの音量にも気を配ってください。大きな音量で長時間聞くと、耳に負担がかかります。また、周囲の音が聞こえないと、アナウンスや非常時の対応が遅れる危険もあります。音量は控えめにするのが安全です。
避けたいこと
通勤時間を使うときに避けたいのは、無理に詰め込むことです。通勤は、本業の前後の貴重な休息の時間でもあります。毎日、作業に追われていると、疲れが抜けず、かえって効率が落ちます。
また、会社の情報を扱う作業との混同にも注意が必要です。副業の作業と、本業の資料を、同じ端末で開くのは避けてください。会社支給の端末を、副業の作業に使うことは、規則違反になる可能性が高いものです。
さらに、周囲の迷惑になる行動も避けます。大きな音で動画を再生する、混雑した車内で大きな荷物を広げるなどは、マナー違反です。公共の場であることを忘れずに、控えめな作業にとどめます。
乗り物の中での作業には、酔いやすい人もいます。画面を見続けて気分が悪くなるようなら、音声中心の作業に切り替えるか、その時間は休息に回してください。体質に合わない方法を無理に続ける必要はありません。
毎日続けるための工夫
通勤時間の作業を習慣にするには、準備が大切です。前日の夜に、翌日の通勤中にやる作業を決めておきます。「行きは下調べ、帰りは下書き」のように、行きと帰りで役割を分けると、迷いません。
作業に必要なデータや資料は、オフラインでも使えるように、あらかじめ端末に保存しておきます。電波の弱い場所でも作業が止まらないようにするためです。
疲れた日は、無理に作業をせず、音楽を聴いたり、ぼんやりしたりして過ごす日も作ってください。休む日を決めておくと、気持ちが楽になり、続ける力が保てます。
通勤時間の副業を始めると、移動中に作業した分だけ、自宅での作業時間が減らせます。その分を休息や家族との時間に回せるのが、通勤時間を活用する大きな利点です。時間の使い方全体を見て、バランスを考えてみてください。
在宅勤務の日の通勤時間は
在宅勤務が増えた人は、通勤がなくなった分の時間をどう使うかを考えます。通勤がない日に、同じ時間帯を副業に充てると、習慣が崩れにくくなります。
たとえば、通勤の時間に散歩をして気持ちを切り替え、その後に副業の作業を始めるという使い方もあります。通勤は、本業と生活の切り替えの役割も果たしていたため、代わりの切り替えの習慣があると、メリハリが生まれます。
出社の日と在宅の日で、副業の計画を分けておくのも一案です。出社の日は通勤時間に軽い作業を、在宅の日はまとまった時間を使う作業を、というように使い分けます。
また、通勤中の作業で出た成果は、帰宅後に整理する時間を数分とっておくと、無駄になりません。スマートフォンで書いた下書きを、パソコンで整える、メモを分類するなど、短い仕上げの時間を決めておくと、積み上げた作業が形になります。
通勤の乗り換えが多い路線や、極端に混雑する時間帯では、無理に作業をしようとせず、休息に使う判断も大切です。作業する日としない日を、混雑の度合いで決めておくのも、続けるための知恵です。
体調や気分によっても向き不向きは変わります。朝は頭が働くなら難しい作業を、帰りは疲れているなら音声を聞くだけにするなど、時間帯ごとの自分の状態に合わせて、作業の重さを調整してください。
次にやること
まず、今週の通勤の様子を観察してください。往復の時間、座れるかどうか、混雑の度合いを、メモに取ります。観察が終わったら、座れるときに行う作業と、立っているときに行う作業を、それぞれ一つずつ決めます。
来週は、その作業を実際に試し、続けられたかを記録してください。通勤時間の使い方は、1か月ほど続ければ、自分に合う形に落ち着きます。無理をせず、できる範囲で積み上げていく気持ちで取り組んでください。




