会社員が副業を始めるときの選び方・始め方・続け方を、手順に沿ってまとめています。

Preparation

始める前の準備

副業を始める前に就業規則で確認する点

目次
  1. 就業規則はどこで読めるか
  2. 副業が認められているかを見る
  3. 許可や届出の手続きを確認する
  4. 禁止や制限される副業の範囲
  5. 守秘義務と競業の規定を読む
  6. 読んだあとにやること
  7. 次にやること

副業を始める前に就業規則で確認したいのは、「副業が認められているか」「許可や届出の手続きは必要か」「禁止されている副業の範囲はどこか」「守秘義務や競業の規定はどうなっているか」の4点です。読む順番と、読み方のコツを整理します。法律の細かい解釈は専門家に任せるとして、まずは自分の会社の決まりを正確に把握することから始めてください。

なお、会社によっては、雇用契約書や労働条件通知書に、副業に関する取り決めが書かれている場合もあります。就業規則と合わせて、入社時に交わした書類も見直してみてください。両方の内容が食い違っていないかを確認しておくと、安心して進められます。

就業規則はどこで読めるか

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出ることが義務づけられています。従業員がいつでも見られるように、周知する決まりもあります。

実際には、社内のポータルサイト、共有フォルダ、紙の冊子などで公開されています。入社時にもらった書類の中に入っていることもあります。探しても見つからないときは、人事や総務の担当者に「就業規則を確認したい」と伝えれば、案内してもらえます。

副業のためと言わず、「規則を読み直したい」と伝えるだけで十分です。規則を確認すること自体は、従業員の当然の権利であり、後ろめたく思う必要はありません。

条文を読むときは、細かい言い回しにも目を配ります。「会社の承認なく」「事前に届け出ること」「業務に支障がない範囲で」といった条件が付いていないかを確認します。ここを読み飛ばすと、認められていると思い込んで手続きを怠るおそれがあります。

副業が認められているかを見る

規則の中で、副業に関する条文を探します。「兼業」「副業」「他の職業への従事」「許可なく他の事業に従事しない」といった言葉で書かれていることが多くあります。

条文の立て付けは、会社によって大きく3つに分かれます。ひとつ目は、原則として認める形。ふたつ目は、会社の許可があれば認める形。三つ目は、原則として禁止する形です。

国のモデル就業規則は、2018年に、原則として副業を認める形に改定されました。ただし、自分の会社が同じ内容になっているとは限りません。会社の規則は、自社のものを読んでください。

副業を変更したり、やめたりするときの扱いも、あわせて確認します。内容や時間が変わったら再届出が必要なのか、やめた場合の連絡は必要なのかが定められている場合があります。始めるときだけでなく、続ける間の決まりも把握してください。

許可や届出の手続きを確認する

許可制や届出制の場合は、手続きの方法を調べます。誰に、いつまでに、どんな書式で提出するのかが定められていることが一般的です。

書式には、副業の事業内容、勤務先や取引先の名称、従事する時間、場所などを書く欄があることが多いです。提出する前に、書くべき項目を把握しておくと、慌てずに済みます。

許可制では、申請から結果が出るまでに期間がかかる場合があります。副業を始めたい時期から逆算して、早めに動き出してください。許可が得られなかった場合の取り扱いも、規則に書かれているか確認しておくとよいでしょう。

規則とは別に、会社独自のガイドラインや、通達の形で細かい基準が示されていることもあります。就業規則の本体だけでなく、関連する社内の文書にも目を通しておくと、読み落としを防げます。

禁止や制限される副業の範囲

原則認められている場合でも、制限される副業があります。多くの規則では、次のようなケースが挙げられています。

  • 本業の業務に支障が出る場合(過労や、遅刻、集中力の低下など)
  • 会社の秘密情報が漏れるおそれがある場合
  • 会社の信用や名誉を傷つけるおそれがある場合
  • 競合する会社で働く、または競合する事業を行う場合

これらは、厚生労働省のガイドラインでも、副業を制限できる場面として示されています。自分の副業の内容が、いずれかに当てはまらないかを一つずつ確かめてください。

とくに「競合」の範囲は、解釈に幅があります。迷う場合は、書面で確認をとっておくと、あとから問題になりにくくなります。

守秘義務は、退職後も続く場合があります。退職時に提出する誓約書に、競業の禁止や守秘の義務が盛り込まれている会社もあります。副業から独立へ進むことを考えている人は、そうした書類の内容も、早めに把握しておくと安心です。

守秘義務と競業の規定を読む

副業の可否とは別に、守秘義務や競業避止に関する規定も確認します。これらは、副業を認められている場合でも、守らなければならない決まりです。

守秘義務は、業務上知った会社や取引先の情報を外部に漏らさないという義務です。副業の中で、本業の情報を使ったり、話したりすることは避けなければなりません。

競業避止の規定は、会社と競合する事業を行わないという内容です。在職中の競業は、多くの会社で禁止されています。退職後の競業制限を定めている会社もあるため、将来の独立を考えている人は、併せて読んでおくと安心です。

記録を残す観点では、読んだ日付と確認した版をメモしておくと便利です。就業規則は改定されることがあるため、どの版をもとに判断したのかが分かると、後から見直すときに役立ちます。

読んだあとにやること

規則を読み終えたら、気になった箇所に印をつけ、副業の計画と照らし合わせます。許可や届出が必要なら、書類を準備します。必要がなければ、規則の範囲内で始められると確認できたことになります。

規則の文言が曖昧で判断に迷う場合は、人事の担当者に、一般的な質問として確認してみましょう。「副業をする場合、どのような手続きが必要か」という聞き方なら、角が立ちません。

口頭の回答だけでなく、メールなど文面でもらっておくと、あとの証拠になります。担当者が変わっても、確認した内容を示せるからです。

規則を読むのは気が重い作業ですが、一度把握すれば、その後の判断がぐっと楽になります。副業の計画が固まっていない段階でも、先に読んでおくと、選択肢の範囲が分かり、無駄な検討を省けます。読んだ内容は、自分用のメモとして1枚にまとめ、いつでも見返せるようにしておきましょう。

次にやること

まず、社内ポータルなどで就業規則を開き、「副業」「兼業」の言葉で検索してみてください。該当する条文のページを控え、自分の会社がどの形に当てはまるかをメモします。

そのあとで、副業の計画に合わせて、必要な手続きを一覧にします。許可制なら申請書の入手、届出制なら提出先の確認、というように具体的な動きに落とし込めば、次の一歩が見えてきます。